AORの超名曲を高音質で聴きこむ 「After The Love Has Gone」編

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 楽しみにしていたCDがアマゾンから届いた。

1993年にリリースされたAOR界の名ギタリストでありプロデューサー、
ジェイグレイドンのソロアルバム

「Airplay for the Planet」のリマスタリング再発盤である。
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TOTOの3代目シンガー、「パメラ」や「ストップ・ラビング・ユー」の歌声でおなじみジョセフ・ウイリアムス、シカゴのビル・チャンプリン、 デイヴィッド・フォスターの秘蔵っ子、ウォーレン・ウィービーらがボーカリストとして参加している。

1993年リリースのものは赤ちゃんが雲の上で微笑んでいるジャケットだったが、今回の再発盤は赤い惑星が中心に写っているだけのシンプルな絵柄だ。

1993年リリース初回盤
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「Airplay for the Planet」

レーベル: Sonic Thrust Records
商品番号: STRCD-002
発売日: February 2002
jay gradon
①Walk The Wire②She Just Can’t Make Up Her Mind③History④After The Love Has Gone⑤Holdin’ On To Love⑥One Way Or Another⑦Roxann⑧Show Me The Magic⑨You’re Not Alone⑩When You Look In My Eyes⑪I Do

 

 

 

サウンドナビという僕だけのオーディオ視聴室ができた当初からイイ音でぜひ聴きたいと思っていた曲が入っているのだ。

アルバムの4曲目“After The Love Has Gone”だ。

デイビット・フォスターとジェイ・グレイドンがAIRPLAYというユニットでリリースした名盤
「ロマンティック」というアルバムのラストを飾るAORの名曲中の名曲である。

アース・ウィンド&ファイアーが大ヒットさせたナンバーとして知られているが、僕が最初に聴いたのはアースの方ではなく、この「ロマンティック」というアルバムからであった。80年代通じて良く聴いた曲であり、そのため、やや歌い回しが違うアースのバージョンよりもこちらの方がよく耳に馴染んでいる。

ジェイグレイドンによってリファインされた“After The Love Has Gone”の新バージョンを聴いたのは運転中の車内のFM放送だった。残業して深夜だった記憶がある。
93年か94年頃だったか、FM横浜かFM愛知だったかも忘れてしまった。
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運転しながら「素敵な曲だなぁ」と聴き耳立てているうちに“After The Love Has Gone”であると分ってきた。
都会的で洗練されたアレンジが楽曲にさらに磨きを掛かけ、感銘をうけたのだが、車からいったん離れるやすぐに厳しい現実世界に引き戻された。

つかの間の夢世界はその数分間であった。

AORというのはAdult-oriented Rock(大人のロック)、ブルーアイドソウルなどと呼ばれ、アーバンでおしゃれな雰囲気がとても素敵で、僕の大好物のひとつ。

ボズ・スキャッグスやボビー・コールドウェルらの素晴らしい楽曲はたくさんあるのだけど、“After The Love Has Gone”は僕にとって別格のナンバー。そのメロディーライン、コーラス、雰囲気、ギターソロで最高潮になる高揚感、全てが心の琴線を揺さぶるものがある。
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 ジェイ・グレイドンによってさらに磨きがかかった“After The Love Has Gone”をイイ音で聴きてみたい。 

音質については1993年の初回バージョン、YouTubeの投稿やFM放送を聴いた限り悪くないと思う。
それが2002年にリマスターされたという。ジェイ・グレイドンの公式ページに飛ぶとそのことが記述されていた。

ジェイ・グレイドンの公式ページより
http://www.jaygraydon.com/sonictxt.htm

インタビュー形式でジェイ・グレイドンが答えている。
This version sounds much better than the previous by far!!! More clarity, more “punch”, and more level when needed.
(このバーションは前回のよりはるかに音がイイよ。更にクリアーになり、音にもパンチがある。さらに必要な音圧レベルも確保しているよ)

ジェイに期待しよう。

WAVで収録した音源の入ったUSBをサウンドナビにセットする。最初に4曲目に合わせたいところだけど、1曲目からちゃんと聴いていこう。

サウンドナビは最初の1曲目からは本領を発揮しない。
オーディオは長期的なエージングのことが言われるけど、その時、その時のウォーミングアップというのも必要だ。経験的に3曲目、4曲目辺りから音に艶が乗り、各音域のバランスも整ってくるように思う。

①Walk The Wire ジョセフ・ウィリアムスの伸びやかなハイトーンが素敵なロック・ナンバーである。低中高音のバランスが良く、解像感も申し分ない。ジェイがいうようにクリアーだし低音から力感がありパンチも利いているよ。

②She Just Can’t Make Up Her Mind 相変わらずビル・チャンプリンの歌声がさらに渋みを増す曲だなぁ。

③History でまたジョセフ・ウィリアムスが登場、夜の都会を流すには最適なフュージョン調の静かな曲である。

さて、いよいよ一番期待していたナンバー“After The Love Has Gone”だ。

輝きのあるキーボードの出だしからたまらない。ビル・チャンプリンの渋みのあるボーカルが味わい深く語りかけてくる。

クリアーで各楽器の分離感もイイ。静かに裏で鳴っているホーンセクション、キーボードの音色といいジェイ・グレイドンのセンスの素晴らしさってギタープレーだけじゃないんだよなぁ。

気品があって洗練されたアレンジはもうアーバンな雰囲気そものの、都会の摩天楼をイメージする音色が目の前の空間を支配した。
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ビル・チャンプリン、いやぁ渋いなぁ。この曲はやはり彼じゃなきゃ。

ジェイのギターソロが展開される。ウエストコーストの香りのするハーモニー、曲を最高調に盛り上げるそのギターフレーズの素晴らしさは相変わらずだ。
終盤のユニゾンになっていくとこはジェイのお得意とするところ。

それにしても見事としか言いようがない。ロックギターのソロとは何なのか。ギタリストを目指すのであれば、本来目指すべき理想系がここにある。

ギターソロが終わるとチャラララっというキーボードの味付け加わり、それがまた素敵なこと。曲の終盤に向かいボーカルとコーラスハーモニーの奥でホーンセクションの音色が次第に増していく演出も心ニクイばかり。

聴くたびに、大げさな表現ではあるが「至上の幸福観」に包まれる。

ジェイ・グレイドンの秀逸なアレンジでさらに輝きが増した“After The Love Has Gone”。
その存在自体が奇跡の名曲といってよいと思う。

いやぁ 素晴らしかった。
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今は亡きウォーレン・ウィービーがボーカルをつとめる⑦Roxann。どんなナンバーでも歌いこなせる表現力を兼ね備えた天才ボーカリストが歌うバラードも、又秀逸だ。

ここで聴かれるジェイのギターソロもAORにお手本、理想系ともいえる見事なソロプレー。
「素晴らしいギターソロとは何なのか」の回答がここにも存在した。

⑩When You Look In My Eyes AORの「ど定番」ともいえるような素敵なラブバラードも終盤に控えていた。

“I DO” という曲がボーナス・トラックで収録されている。ただのオマケで済ませていない。
メロディアスでこれまたゴージャスなミディアムテンポの好バラードである。
全曲★★★★★

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まさに極上のAORを満喫して夢心地で家路に向かうのであった。

 

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