これぞ洋楽ロック全盛期の象徴 「Starship」をリマスターで聴き直す。
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スターシップのベスト盤を注文してみた。
2006年に発売されたリマスターベストである。
Platinum & Gold Collection
発売日:2004年
レーベル:Sbme Special Mkts.
①We Built This City②It’s Not Over (‘Til It’s Over)③Nothing’s Gonna Stop Us Now④Sara (Single Edit)⑤Tomorrow Doesn’t Matter Tonight⑥Set the Night to Music⑦Before I Go ⑧Beat Patrol
⑨I Didn’t Mean to Stay All Night⑩Wild Again⑪Love Rusts⑫It’s Not Enough
色んなレーベルからベスト盤が出ているので迷ったが一応これにした。
1991年に発売された彼らのベスト盤は当時から良く聴いてきた。
WAV音源でPCに保存してある。
1991年発売のベスト盤はおそらく、日本において (いや世界でもかな) もっとも出回っているものではなかろうか。レンタルCD屋さんとか中古CD屋さんで結構みかけたんだよ。
Greatest Hits 1979-91(1991年発売)
①Jane②Find Your Way Back③Stranger
④No Way Out⑤Layin’ It On The Line
⑥Don’t Lose Any Sleep⑦We Built This City
⑧Sara⑨Nothing’s Gonna Stop Us Now
⑩It’s Not Over (‘Til It’s Over)⑪It’s Not Enough⑫Good Heart
だからベスト盤を新たに購入する必要はない。
ただ91年の音源なのでチト物足りない。2000年以降にリリースされたベスト盤であればリマスタリングによる音質向上が味わえるのではないか。そんな期待感があったのだ。
スターシップがブレイクしたのは80年代中頃。
アルバム『ニー・ディープ・イン・ザ・フープラ』からシングルカットされた「シスコはロック・シティ」「セーラ」が大ヒットした。91年ベストにおけるこれらの音質はまぁまぁである。
目玉曲、映画「マネキン」の主題歌
「愛は止まらない(ナッシングズ・ゴナ・ストップ・アス・ナウ)」は元々音質は割と良かった。
リマスターで音質の向上が楽しめるだろうか。
あらたにベスト盤購入にあたり、正直どれにしようか迷った。
彼らの場合様々なレーベルからベスト盤がリリースされているからだ。
これを選択した理由はWEB上の紹介ページを発見し、そこでサンプルを聴いてみたところ
よさそうと感じたからである。
サンプルといっても圧縮されているだろうし、そのままの音源ということはなかろう。
配信視聴の段階で聴いてみたところ、張りがあり、艶っぽい音質だったのでいけるのではないかとふんだ。
選曲自体は91年ベストのほうが良い
今回購入したベスト盤の選曲に関してはこんなものだろう。
「STARSHIP」名義になってからの活動はさほど長くないから。
一方、91年発売のベスト盤にはバンド名を「Jefferson Starship」と名乗っていた1979年にスマッシュヒットした①Janeが1曲目に収録されている。最初に聴いた彼らの曲である。
79年当時、日本のAM、FMラジオのポップスベストテン番組で頻繁に掛かっていたのを覚えている。ミッキー・トーマスの伸びのある高音にはちょっとしたカルチャーショックだったなぁ。
こんな高い声で歌える男の人がいるのかとね。
現在でも正当派ハードロックの名曲だと思う。
それともう一曲。隠れた秀作だと思っている④No Way Outが収録されているのが味噌。
イントロのキーボードの音色が印象的なスペーシーなサウンドはなかなかの傑作ではないか。そんな気の利いたベスト盤であった。
今回のベストにはこれらの楽曲は収録されていない。「Jefferson Starship」名義のベスト盤には収録されている。これらが収録された他のレーベルのベスト盤もあるにはあるね。
80年代初期、彼らはビルボードチャート的になかなか成功せず、伸び悩んでいた。
ポップ感覚抜群の「No Way Out」は彼らの勝負作だったと思う。当時、FMラジオで聴いたときには、おおっ 良い曲っ!これはヒットするだろうと期待したがダメだった。
「これがヒットしなきゃどんな曲をつくりゃいいんだ?」
という焦燥感もあったと想像するのだよ。
そんな状況を一気に切り崩して大メジャーバンドにのし上がるきっかけになったのが①We Built This City 「シスコはロック・シティ」の全米NO1ヒットであり、彼らの悲願を達成したのがこの曲だったわけだ。
さて、音質の聴きくらべ
91年ベスト盤と2004年発売「Platinum & Gold Collection」だが前者がサウンドナビボリューム23 後者が22ぐらいで音量が釣り合う感じだ。①We Built This City (シスコはロック・シティ)は大きな変化は感じられなかった。
若干クリアーになり見通しの良いサウンドになったとはいえる。純粋なロックサウンドというよりもややテクノポップ的な音作りがされているのでリマスターによってさほど大きな向上が感じられなかったのかな。でも音場が左右に広くなり若干の音質向上は認められた。
We Built This City 「シスコはロック・シティ」 公式
「セーラ」は細かい装飾音がよく聴こえ、ボーカルが非常にクリアーになっている。
音場の広がりも良くなっている。
一聴してだれでも違いが分かるだろう。
SARA 公式
Nothing’s Gonna Stop Us Now にあらためて感激
あらためてリマスターベストを購入した最大の理由が Nothing’s Gonna Stop Us Now (愛は止まらない)」をリマスター音質で目いっぱいの音量で聴いてみたかったことだ。
この曲は洋楽全盛期の80年代を代表する名曲であり、80Sのコンピレーションアルバムやヒット曲集にもよく収録されている。そのバージョンもわりと聴いてきた。
91年のベスト盤もそうだがこの曲は80年代の他のアーティストの作品の中においても音質は素晴らしい方なので、リマスターにおける向上感を味わえるのかどうかは僕にとって1つの賭けではあった。実際に購入して聴き比べてみなければわからないのだ。
最初のドラムスのタ・タ・タ・タ・タンという響きから違いが分かった。透明感が上がっている。
Nothing’s Gonna Stop Us Now「愛は止まらない」 公式
僕の愛車のサウンドナビ、ステレオ環境ではボリュームを22~23ぐらいにすると前面に音が広がって、素晴らしいサウンドを浴びることの出来る音量帯になるのだ。
ミッキーのボーカルもグレース・スリックのボーカルもはっきり・くっきり感が増している。
91年バージョンも悪くは無い。でもこうして聴き比べると違うねぇ。
この曲も左右の広がりが若干まして、全体としてもヌケのよいサウンドに生まれかわった。低中高音と、よりフラットバランスにつながり聴きやすいことこの上ない。
そうした相乗効果で音に一層の厚みが加わったように感じる。
それにしてもなんという曲だろうか。
イントロのキーボードの調べから楽曲の世界に引き込んでしまうものがある。
勇気付けてくれる明るいメロディーとポシティブな歌詞、美しいコーラス、心地よいギターサウンド、軽快なドラミング、絶妙なギターソロ、音質、全てが完璧な作品である。
売れ線狙いの甘口ロック、産業ロックという一部、批判や否定的な意見も当時からあるにはあった。だがあらためて、こうして聴いてみると、そうしたネガティブな反応も蹴散らすような素晴らしいエネルギーをずーっと持ち続けている楽曲ではないか。
いくら「売るぞ 売るぞー」と意気込んで、これ程の曲を書くことができるだろうか?
こんなサウンドを想像することができるかどうか。メロディー、アレンジ、アーティストの力量、時代が全て絶妙に融合した不朽の名曲であることを再確認した。
これをかけて街中を流すのがどれほど心地よかったか。
プロモーションビデオのバイクや車が颯爽と夜の街を駆け抜けていくシーンがオーバーラップして楽しかった。
なぜ、洋楽ロックを聴いてきたか、こんな曲に出会う為ではなかったか。そんな感慨すら覚えた。途中まで聴いていくうちにウルウルきてしまったよ。
洋楽ロックの復権を願う
さて、Youtubeには70年代80年代90年代の懐かしいミュージックビデオが投稿されている。たくさんのコメントが寄せられているのでわりと読んでみる口なんだよね。
10代や20代の音楽ファンにとっては現在のアーティストが最高だろう。多感な年頃の時期に現役のアーティストの作品に共感を覚えるのはどの時代でも同じだから。
こうした懐メロ系のビデオに投稿されているコメントは「この頃の音楽は良かったよね」というような論調の書き込みが多い。
しかし、なかには「素晴らしい曲だね。この頃10代だったら良かったのに。この頃青春時代だったら良かったのに。」そんな高校生や大学生のアメリカ人(他の欧米人)と思われる若い方たちの書き込みも結構見つかるんだよね。
Nothing’s Gonna Stop Us Now「愛は止まらない」のYouTube公式ビデオの投稿欄の中で特に印象的だった (おそらくアメリカ人の方) のコメントを少し紹介してみたい。
指マークで比較的高評価されているコメントである。
M●●●さん
「本当に80年代の音楽を愛しているよ。僕は16歳です。」
y●●●●さん
「この曲は2016年現在の今でもロックしているね。圧倒的な存在だ」
A●●●●さん
「80年代の音楽は魔法だよ。この10年間にかなう年代はないよ」
一番印象に残ったコメントがこれだった。
J●●●さん
「80年代はアメリカにとってグレイトな10年間だった。現在、我々はすべてLiberalism(おそらく新自由主義の意味だと思う。)の奴隷だ。すべてが退屈でうんざりする。差別主義も蔓延している。神様 80年代に我々を戻してくれ」
フードスタンプや貧困、極限まで広がった貧富の差、銃による痛ましい事件、テロなどますます病んできている今の米国の実情をネットで知るたびに、多くのアメリカ人たちが現在の米国にうんざりしているのではないかと思う。
そんな象徴的なコメントに僕には思えた。
現在、世界情勢はどんどん悪くなっているように見えるけど、既存のシステムが刷新していく過程にある歴史的瞬間に立ち会っているのだと個人的には考えている。夜明けの前が一番暗いという。
現在、旋風を巻き起こしているあの方がアメリカの指導者になれば、アメリカも立ち直るきっかけをつかめると思う。そしたらまた上質なロックバンドがまた輩出されてくるとは思うけどね。
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