最高の音質でカーペンターズの名曲に酔いしれたい
スポンサーリンクCarpenters 40/40 CD
レーベル: A&M
ASIN: B002NPUCI0
発売日2009年
ディスク:1①Yesterday Once More②Superstar③Rainy Days And Mondays④Top Of The World⑤Ticket To Ride⑥Love Is Surrender⑦Maybe It’s You⑧Reason To Believe⑨Where Do I Go From Here?⑩This Masquerade⑪It’s Going To Take Some Time⑫One More Time⑬Those Good Old Dreams⑭For All We Know⑮Crystal Lullaby⑯I Believe You⑰(They Long To Be) Close To You ⑱Bless The Beasts And Children⑲All You Get From Love Is A Love Song⑳Calling Occupants Of Interplanetary Craftディスク:2①I Need To Be In Love②Now③Solitaire⑤Hurting Each Other⑥I Won’t Last A Day Without You⑦Sweet, Sweet Smile⑧A Song For You⑨Ordinary Fool⑩When You’ve Got What It Takes⑪Goodbye To Love⑫Your Baby Doesn’t Love You Anymore⑬Sing⑭Baby, It’s You⑮Let Me Be The One⑯Only Yesterday⑰Jambalaya⑱Touch Me When We’re Dancing⑲We’ve Only Just Begun⑳When It’s Gone (It’s Just Gone)
最高の音質でカーペンターズの名曲に酔いしれたい。
カーペンターズの輸入盤ベスト40/40を買ってみた。
カーペンターズが活躍したのは主に70年代。
1983年にカレンが拒食症で逝去され、80年代は新譜リリースの活動がなかった為、僕にとって彼らはリアルタイムで聴きこんだアーティストではない。
しかし気持ち的には同じ時代を共に生きたアーティストの感覚が十分ある。
なにしろ80年代を通じてAM・FMラジオで頻繁にオンエアーされたし
SONY ミュージックTVでアーティスト特集というのがあって
VHSビデオに録画した彼らの雄姿を何度も拝んでたから。
英語の先生が発音のお手本として、勧めることもあって
「トップ・オブ・ザ・ワールド」「イエスタデイー・ワンスモア」「スーパースター」
「 遙かなる影」「雨の日と月曜日は」などはどれほど聴いたか分からないぐらい。
今では、気になる楽曲やアーティストはYouTubeで検索すればほとんど見れてしまう。
80年代はとてもそうじゃなかった。
だいたい当時3000円もしたLPレコードは年に数枚買えればよい。ぜいたく品である。
NHK・FM放送のアーティスト特集は有難いこと、この上なかった。
AM放送だと、CMが入り、曲が途中でフェードアウトして、がっかりってことも多かったからね。
何といっても嬉しかったのはNHK・FMは曲の始めから最後までできちんとフルコーラスで流してくれることだったのだ。
当時、よく買ってたFMレコパルやFMファンFMステーションなんていう雑誌には
カセットテープのレーベルが付いていた。
ようはカセットテープのジャケットみたいなもの。当時はパソコンはないし
ワープロだって特定の職業の人しかもっていなかったはず。
コピー機やプリンタなどもまだ世の中では一般的ではなかったし。
そんななか、FM雑誌付録のレーベルがあれば
カセットテープを綺麗な印刷されたアーティスト名でデコレートできるのだ。
整った印刷文字でカセットテープの側面をディスプレーできれば、どこか市販品を
買ったような気分にもなる。
自室にこもって、FM雑誌付録のレーベルをセコセコと切り取るのは非常に地道な作業であった。
ズレるとまずいので目をこらしてハサミで慎重に切り取る。
アーティスト1枚づつしかないので失敗は絶対に許されない。
カセットテープを開けて空欄の部分にはアーティスト名、収録曲をボールペンで一生懸命、手書きで書き込む。
鉛筆は書き直せるが、見た目がしょぼい。ボールペンは失敗が許されない為、さらに慎重な扱いが要求された。
ヤマダ電機、エイデン、ビックカメラでもない浜松市では当時、いたるところにあった馴染みの電気屋さん、
「無敵マエダ」で買ったカセットテープ」ノーマルポジション60分300円、いかにも既成の製品を感じさせるTDKの紙を取り去り、ようやく完成したレーベルを空のプラスチックケースにはめ込む。
アーティストの作品のような香りがするカセットテープの出来上がりだ。
カセットテープの中身はFM放送からエアチェックしたもの。
NHKアナウンサーらしい、気まじめで誠実そのものの人柄を感じさせる石田豊さんの
ナレーションと曲紹介のあと流されたアーティスト達の楽曲の数々である。
こうしてせっせとFMラジオ音源をカセットテープで聴いていた洋楽派にとってカーペンターズは定番中の定番であろう。
そんなカセットテープで観賞していたカーペンターズを良い音で聴きたいと思った。
一度は何百枚かのCDを処分して、音楽とは無縁だったので、カーペンターズとはかなり久方ぶりの再会となる。
40/40というのは40周年記念でリチャードカーペンター自らリマスタリングしたとのこと。
そして2人アップで映ってるジャケット写真がなんとも微笑ましい。
もうジャケットから「これ、イイ音しますよ」そんなたたずまいである。
1曲目は「イエスタデイー・ワンスモア」
さぁ、この曲をイイ音で聴いたらまたどんなかんじだろう。
チャン・チャン・チャン・チャン、というイントロの美しいピアノの響き
そしてもうおなじみ
英語の発音レッスンため何度聴いたかわからないフレーズ。
When I was Young I listen to the radio♪
つややかなカレンの歌声が浮き上がる。
どこまでもクリアで歪感といったものはまるでなし、ひたすら透明感のあるサウンドに
聴き入ってしまう。
少し乾いたドラムには力感があり、しまりがある。ベースの音も良く聴こえてくる。
Every sha-la-la-la
Every wo-o-wo-o, still shines♪
澄み切ったコーラースが目の前に大きく広がった。
解像感の高い音なのでカレンの歌声、コーラスに加わるリチャードの声も明確に分かる。
郷愁を感じさせるハーモニーがたまらない。
年を重ね、あらためて歌詞をかみしめながら聴いていくうちに
心にジワジワと沁みてくるものがありジンときてしまった。
まるで自分のことのように
When I was Young I listen to the radio
Waitin’ for my favorite songs
(私が若かった頃ラジオを聴いてた。好きな曲を待ちながら)
When they played I’d sing along, it made me smile
(それがかかると それに合わせて歌った)
Those were such happy times and not so long ago
(それはとても幸せなひと時だった。そんなに昔の事じゃ無い)
How I wondered where they’d gone
(それらの歌が何処へ行ってしまったんだろう)
But they’re back again just like a long lost friend
(でもまた戻ってきた。まるでしばらく会っていなかった友達みたいに)
All the songs I loved so well
(全ての歌が大好き)
When I was Young(私が若かった頃)
っていってもあの頃は少年だっし特別、歌詞に共感できたわけじゃない。。
その心地よいメロディー、癒されるカレンの歌声に聴き入っていただけだった。
今回、歌詞の内容があらためて味わい深いものとなって心に響いた。
こんな目の覚めるようなクリアーな音質でこの曲を聴いたこともなかった。
カレンの美しい歌声をこれだけ真近で体感したこともなかったし。
もう1曲目から美しいカレンの歌声、素晴らしい演奏と音質に引き込まれてしまった。
全曲、見事に音質の差がなく統一されている。透明感、各楽器の分離が素晴らしい。
クリーンなエレキギター、ディストーションの掛かったギター、アコースティックギター
、ストリングス、、ピアノ、ハープ、オルガン、トランペット、ハーモニカ。
この世に存在している、ありとあらゆる様々な楽器がスパイス、隠し味として
散りばめられている。POPミュージックの玉手箱とった感じだ。
数々の楽曲の音質をよくぞここまで維持してきたものだと思う。リチャード・カーペンター氏自らが手がけてきた労作のマスターテープを我が子のように扱い、大切に保存し、音に磨きをかけてきたのだろう。
この点で山下達郎氏と似たところがある。
アーティスト自らがリマスタリングを手掛ける作品は当の本人が
どんなところを聴いてもらいたいのか、耳を傾けてもらいたいのかということが明快だ。
音質を比較してみようと思い図書館で別のベスト盤を借りて聴いてみた。
ゴールド
カーペンターズ
商品番号:UICY-1100
発売日:2001/12/19
発売元:ユニバーサルミュージック インターナショナル
①イエスタデイ・ワンス・モア ②スーパースター ③雨の日と月曜日は
④愛にさよならを ⑤愛は夢の中に ⑥ふたりの誓い ⑦レインボウ・コネクション ⑧シング ⑨ふたりの誓い ⑩ジャンバラヤ ⑪タッチ・ミー
⑫プリーズ・ミスター・ポストマン ⑬青春の輝き ⑭ソリテアー ⑮愛のプレリュード ⑯遙かなる影 ⑰マスカレード ⑱涙の乗車券 ⑲トップ・オブ・ザ・ワールド ⑳オンリー・イエスタデイ 21リーヴ・イエスタデイ・ビハインド
これはこれで、調べてみると音質の評判も良く、実際聴いてみたところ、素晴らしい音集だった。
選曲がどうであれ、だれが聴いても文句のつけようのない音質である。
音圧レベルはほとんど同じ。
スーパースターのオープニングから017秒、オーケストラのトロンボーンの音というのかな、40/40のほうは右側に大きく張り出してくるのだけどGoldのほうは中央奥で静かに流れてる。
こうして細部を詳細に点検していくと他の曲にも色々とアレンジの違いがあるのを発見する。
聴き手によってはGoldのほうがカレンのボーカルがより引き立っていて良い印象があるかもしれない。
40/40/のほうはGoldに比べて総じてドラム、ベースの音が張り出し、Goldのほうが
カレンのボーカルがより大きく聴こえる印象があるためだ。
でも音楽全体として40/40のほうがバランスがよいと感じる。ドラム、ベースの音がクリアにキチっと出ており、音楽全体の土台をしっかり支えている。
そのため、聴きごたえが非常にいいのだ。音楽全体としてフラットバランスが達成されている。
そういった意味でGoldのほうは、カレンの歌声をよりフューチャーしたリマスターであるように思う。
一方、40/40の方はリチャードが自らの財産である楽曲に磨きに磨きを重ね、カーペンターズというグループとしての音作りに専念したといったような印象を受ける。
どちらを聴いても不満の無い音質だし、良いオーディオ機器できいてこそ味をかみしめることのできる高音質盤である。
40/40はリチャード・カーペンターが時代を越えて、ずっと聴き続けてもらえるよう、グループとしての集大成的な音作りを目指した究極の作品であるといっていいのではなかろうか。
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