デフ・レパードのリマスターベスト・アルバム、新旧、音質・聴き比べてみた。

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デフ・レパードのイイ音体験をしたい。
Rock of Ages: The Definitive Collectionアルバムの「音質が抜群だ」という記事をネット上で何件か見つけた。

2005年北米地域のみで発売されビルボードチャート10位にランクされた2枚組のベスト盤とのことである。

以前、僕が所有していた95年リリース・Vault グレイテスト・ヒッツ1980-1995と比べて、どれだけ音質が向上したのだろうか?

 購入して、所有していた1995年に発売されたベストと音質を比較してみた。 

Def Leppard 
Rock of Ages: The Definitive Collection

商品番号:ASIN: B0009299LU
レーベル:Island / Mercury
発売日:2005年

dehurepa-do

DISC1①Pour Some Sugar On Me (HISTORIA video edit)②Photograph③Love Bites④Let’s Get Rocked⑤Two Steps Behind (acoustic version)⑥Animal⑦Heaven Is⑧Foolin’⑨Rocket (VISUALIZE video edit)⑩When Love & Hate Collide⑪Armageddon It⑫Have You Ever Needed Someone So Bad?⑬Rock Of Ages⑭Hysteria⑮Miss You In A Heartbeat⑯Bringin’ On The Heartbreak⑰Switch 625DISC2①Rock Rock (Till You Drop)②Let It Go③High ‘N’ Dry (Saturday Night)④Too Late For Love⑤No Matter What⑥Promises⑦Mirror, Mirror (Look Into My Eyes)⑨Another Hit And Run⑩Slang⑪Stand Up (Kick Love Into Motion)⑫Rock Brigade⑬Now⑭Paper Sun⑮Work It Out⑯Die Hard The Hunter⑰Wasted⑱Billy’s Got A Gun
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def lepard
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まず、確認しておこう。
デフ・レパードの代表作2作、『炎のターゲット』と『ヒステリア』からどれだけ収録されているか。

この2枚はロックの歴史に残る名盤であり、7曲づつ収録されている。(赤で示した)
シングルカットされてヒットした有名曲はほぼ網羅されている。

1983年リリースの大ヒット作
『炎のターゲット』Pyromania (album)
pyromania
①Rock! Rock!②Photograph③Stagefright④Too Late for Love⑤Die Hard the Hunte⑥Foolin⑦Rock of Ages⑧Comin’ Under Fire⑨Action! Not Words⑩Billy’s Got a Gun

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1987年リリースの大ヒット作
『ヒステリア』(album)
CLfWws0XAAAB6Re
①Women②Rocket③Animal④Love Bites⑤Pour Some Sugar on Me⑥Armageddon It⑦Gods of War⑧Don’t Shoot Shotgun⑨Run Riot⑩Hysteria⑪Excitable⑫Love and Affection
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それ以外のアルバムからはどんな曲がピックアップされているか見てみよう。

1980年『On Through the Night』アルバムからは「Wasted」 「Rock Brigade」

1981年『High ‘n’ Dry』アルバムからは
「Bringin’ on the Heartbreak」 「Switch 625」
「Let It Go」 「High ‘n’ Dry (Saturday Night)」 「Mirror, Mirror (Look into My Eyes)」
「Another Hit and Run」

1992年『Adrenalize』アルバムからは
「Let’s Get Rocked」 「Heaven Is」
「Have You Ever Needed Someone So Bad」 「Stand Up (Kick Love into Motion)」

1993年『Retro Active』アルバムからは
「Miss You in a Heartbeat」 「Two Steps Behind (Acoustic Version)」

1996年『Slang』アルバムからは
「Slang」 「Work It Out」

1999年『Euphoria』アルバムからは
「Promises」 「Paper Sun」

大体、こんなラインナップになっている。
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 聴き比べて音質はどうだったか。ご紹介しよう。

所有していた95年リリース・Vault グレイテスト・ヒッツはWAV音源で残してある。こちらを先に聴いて、次に今回、購入したRock of Ages: The Definitive Collection収録分を聴いていった。

1995年発売/Vault グレイテスト・ヒッツ 1980-1995(日本盤)
voult
①Pour Some Sugar on Me②Photograph③Love Bites④Let’s Get Rocked⑤Two Steps Behind⑥Animal⑦Action⑧Rocket⑨When Love & Hate Collide⑩Rock! Rock! (‘Til You Drop)⑪Armageddon It⑫Foolin⑬Have You Ever Needed Someone So Bad⑭’Rock of Ages⑮Hysteria⑯Bringin’ On the Heartbreak⑰Can’t Keep Away From the Flam




緑 Pyromania (album)  赤 Hysteria(album)  Adrenalize (album) 
収録曲は色別で示した。
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僕のオーディオ環境で前者がボリューム23、後者が21で「音の大きさ」がだいたい釣り合う。

まずは『炎のターゲット』Pyromania (album)からの大ヒットナンバー「Photograph」からいってみようか。

95年リリース・Vault収録分を先に聴いたので、次はさっそくRock of Ages: The Definitive Collectionに入っている方をかけてみよう。
さて、どうだぁ。

“Photograph” (Official Music Video)

ジャジャジャジャジャ~というイントロはさほど差は無いように感じたが、
008秒から入ったドラムスの音からして大分クリアーになっている。
低音に力強さがある。

ジャジャーンというギターのザクザクしたリフの音、ジョー・エリオットの歌声、
フォート グラーフ♪という美しいコーラスも解像感が大きくアップしている。

イイェーイ。
グット
実はVault グレイテスト・ヒッツ における「Photograph」の音質が『もうひとつかな』と以前より感じていたので、思わずガッツポーズが出たのだ。

歴史的名盤『炎のターゲット』Pyromania (album)からの楽曲は透明感、音の広がり感、
ドラムス、低音の力強さなど、かなりの向上があった。
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次はもうひとつの名盤『ヒステリア』からの楽曲をピックアップしてみよう。
“Hysteria” (Official Music Video)

イントロのクリーンなギターのアルペジオから透明感、艶が向上しているのが分かった。
ギターのリフ、ドラムス、ヴォーカル、コーラス、それらが緻密になり「サクサク感」というものが良くなっている。
onpua

『炎のターゲット』の楽曲群、同様、乾いたドラムスやベースを含めて低音が力強くなっている。
『ヒステリア』からの曲は以前のベスト「Vault」では音質に不満は無かったが、嬉しい誤算であった。音質向上である。
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さて、1992年『Adrenalize』アルバムからの「Let’s Get Rocked」を聴いてみる。
これはVault グレイテスト・ヒッツ を95年当時聴いたとき「Let’s Get Rocked」の音質の良さに驚いた記憶があるのだよ。

「すごい、イイ音だなぁ」とね。

この曲は元々、高音質だったから差は無いだろうと予想した。
どうだったであろうか。
“Lets Get Rocked” (Official Music Video)

大きな差ではないがこの曲も音質は確実にアップしている。
まず、Vault収録分よりもベースの音がバリバリ聴こえてくる。

この曲はギターのジャージャーンと刻む装飾的な音が右のスピーカーからなったり、左のスピーカーからなったりする。ギューンと言うハーモニックス技巧を伴ったギター音が右方面、左方面から交互に聴こえてきて非常に楽しい。
electric-guitar

自動車のブーンをいう走行音、バイオリンの音なんかも入ってくるしね。
そうした味付け音一つ一つがクリアーにはっきり聴こえてくる。
その明瞭度が若干上がっているのだ。

 全体で音質アップといってよいだろう。

全体の評価として一番に挙げられるのは何といっても、低音の力強さがアップしたということ。

低音の量感が豊かになったため、低中高音のメリハリ感、ダイナミックレンジが上がっているんだ。

「Pour Some Sugar On Me」や「Rock of Ages」などはリック・アレンの力強いドラミングが売りの曲だ。パチーン パチーンというドラム音がクリアーで力感があり、迫力がよく伝わってくるのだ。
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 「デフ・レパード」がブレークした当初の思い出を語ろうか 。

当時、なけなしのおこずかいで買ったLPレコード
pyromania lp
僕は中学時代、アイアンメイデンのデビューアルバムからメタルに入門した。

1980年当時、洋楽ロックファン御用達、「ミュージックライフ誌」に、イギリスで起きているNWOBHM (New Wave Of British Heavy Metal) というムーブメントについて伊藤正則氏がレポート記事を良く載せていた。

デニムジャケットにバンドのロゴシールをパカパカ張り付けたメタルファッションが面白いし、「騒がしくてどれほど過激な音なのかなぁ?」など興味は尽きなかった。
nwobhm

よく掲載されていたのは勿論、大御所アイアンメイデン。

「デフ・レパード」はサクソン、プレイング・マンティス、 タンク、などと共に紹介されていたので名前だけは知っていた。

その後、NWOBHMは長く続かなかったし、アイアンメイデンとサクソン以外は成功せず、ほとんどのバンドが消えていったと認識していたんだよ。
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80年、81年あたり、日本のロックファンはデフレパードについては、ほとんどはノーマークだったと思う。「ミュージックライフ誌」にも掲載がないのだから。

逆にデフレパードより、日本で人気があったのは後にデフレパードに加入するギタリスト・フィルコリンが在籍していた「ガール」というバンドの方だった。

断然、日本で知名度が高かった理由はグラムロックの様な派手なメイクをほどこした美少年バンドだったからだ。

彼らの「ハリウッドティーズ」という曲をバックに「ガールの日本公演」のラジオCMがしょっちゅFM放送で流されていたからね。
radio

余談だけど、その「ガール」の「ハリウッドティーズ」、凄い名曲だよ。

で、僕も「ガール」は知っていたけどデフレパードは「自然に消えていった多くのNWOBHMバンドの1つ」ぐらいしか認識がなかった。ラジオでも掛からないから聴いたこともないし。

80年代はインターネットの無い時代なのでロックシーンを知るのにFM雑誌はひとつの手立てだった。
特にビルボードチャートが分かりやすく紹介されていたので洋楽ロックファンはチェックに余念がなかった。
bil

FM雑誌、1983年のビルボードのアルバムチャートにデフレパードの『炎のターゲット』Pyromania が5位だったか6位に載っていたのを見たとき「何かキツネにつままれたような気」がしたのをよく覚えている。

1983年ごろ、メタルのアルバムやシングルがビルボード・チャートに入るなんてことは考えられなかった。

ダンス系、エレクトリックポップ、普通のロック、映画で人気が出た曲などが上位を独占しており、メタルは無いに等しいマイナーな位置づけだったからだ。

「嘘だろう?デフ・レパード?あのデフ・レパードか?まったく違うバンドではないのか?ビルボードチャートに載っていることじたい、ありえない。まして10位以内????」

その後、ミュージックライフ誌に掲載された写真を見て

「え~えっ」ガールというバンドに居た金髪の化粧していたキラキラ兄さんフィル・コリンが確かにデフレパードにいるではないか。驚きっ。。である。
odo

ラジオで聴いた「Photograph」のキャッチーなメロディーと美しいコーラスに魅了されたのはその後であった。

さて、2012年にデフレパードが往年の曲をセルフカバーしたものがあるようだ。
興味深い。
機会があれば聴いてみようかな。

それと近年の作品もこれから楽しんでみるつもりだ。

 

 

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