ロック・ポップスを高音質で聴くべき理由
誰にでも、思い出の曲とか、思い入れのある歌とかがあるはず。
そんなメロディーをイイ音で聴き直したら、それこそ感動はひとしおだった。
オーディオ雑誌には必ずコンポーネントの視聴記事が載っている。
そこで使われている視聴ディスクはその道のプロが厳選した非常に高音質なものが使われていると推測する。
それを何十万、何百万もする高価なオーディオ機器、それらにふさわしい音響を整えた部屋で
聴いているのだから、そりゃぁ凄い音が聴けるのだろうと思う。
いつかきっと僕も。
たくさん夢を見させてくれる。
使用される視聴ディスクはジャズやクラシックなど、たいてい通り相場が決まっている。
たまにはビートルズのリマスター盤など普遍的なロックも使われることもあるだろう。
しかし、僕が最近よく聴いている、BABYMETALの1stアルバムや一時期良く聴いた
きゃりーぱみゅぱみゅの「なんだこれくしょん」などまず使われることはない。
高価なオーディオ機器を求める人達はクラシックファンやJAZZマニアが多いのだろうし、
CDの作り手側もそうした装置で再生されることを前提に制作していることもあるのだろう。
JPOPは音が悪い?
一方、JPOPのCDは若いリスナーが多く、携帯プレーヤーやミニコンポで聴きやすいように
調整して作られるということを聞く。
JPOPは音が悪いという人もいるようだ。
それならJPOPをオーディオで聴く意味 は無いのか?
そんなことはないと思う。
例えば
きゃりーぱみゅぱみゅの楽曲はそのほとんどがパソコンで作られた、DTM(デスクトップミュージック)。
きゃりーの歌声にエフェクトで手が加えられていることも承知の上。
それでもサウンドナビNR-MZ80で聴くのと安価なミニコンポでは明らかに違う。
きゃりーの歌声が立派なボーカリストとしてすぐそばで生々しく聴こえるし、
打ち込みで作られたリズム、ドラムの音も非常にクリアーでいい感じだ。
細かい音もよくきこえる。
何しろヒット曲「にんじゃりばんばん」で使われている「シャキーン!」という刀の効果音からして違う。
こりゃ楽しいよ。
オーディオ雑誌が間違っても視聴ディスクにしようしないであろう「きゃりーぱみゅぱみゅ」
であってもサウンドナビで十分楽しめる。
音楽やその音質は様々な楽しみ方がある。
まぁJPOPといっても、その幅は広いし、全般的に音はイイと思う。
洋楽のロックはどうか?
洋楽のロック、ポップスのCD音質は、JPOPと同様、イイねぇ。
そのマーケットの中心はアメリカであり、違いは日本よりもさらに車社会であること。
70年代や80年代などはアメリカのリスナーの多くは音楽をカーステレオで楽しむ為、
作り手側もカーステレオで快適な音になるよう、その音源を制作していたという話,
昔、どこかのロック雑誌で読んだ記憶があるんだけど、ホントだろうか?
であるならば70s、80s洋楽ロックとサウンドナビは相性抜群ということになるのかな。
確かにサウンドナビで聴くボストンやジャーニー、最高だけどね。
それと、ブラックコンテンポラリー。
昔から音、凄く良いと思う。
僕はノートPCの内臓スピーカーでYou Tubeの音楽を聴くこともある。
それに1200円程度のへッドフォンを繋げて聴くときもたびたびだ。
僕の東芝のノートPC、ヘッドフォンは1200円、これで十分の時もある。
これはこれで楽しいこともあるし、必要だと思っている。
疲れているときや寝っころがってリラックスしているときは
こちらの方がいい場合があるのだ。
ではイイ音で聴く利点は何か。
ブログにとりあげるのは 主にロック・ポップス系なのでそれに絞るけど。
まず、ボーカルなんかはその質感だったり、息づかいだったり、より生々しく聴こえること。
それに美しいコーラスが前面に大きく広がるとまた音楽が豊かになる。
アコースティックギターやピアノ、サックスが右、左あるいは後ろの
方から時おり曲間に絡んでくる。これは曲に味わいをもたらすスパイスだ。
その音が鮮明に聴こえると、その味を十分かみしめることができる。
ステレオ感も向上する。
そんなアーティストや演奏者、プロデューサー、アレンジャー達
が込めた隠し味の妙、心憎い演出が垣間見えてくると、音楽が2倍3倍に味わい深いものになる。
ハードロックなどはギターの分厚い壁が前方に広がる。
シンガーの左手、あるいは右手方面から目の覚めるような流麗なギターソロが飛び込んでくる。
イイ音であるほど、そのギターの音色だったり、ハーモニクスピッキングや
チョーキングなどギタリストが込めたテクニックの妙というのをよく聴きとることが出来る。
これはハードロックに限らずAORにも多く含まれている要素だけど。
ドラムの音は、とかくハードロック系などで注目されることが多い。
デスメタルのドッドッドッドッドッドッと人間業とは思えないぐらいの高速連打。
ツェッペリンのジョン・ボーナムのぶっ飛んだドラミングなど。
これも痛快であることは確かだよ。
しかし実はそれよりも、ユーミンやビリージョエル
など、そういったポップミュージックに入っているドラムスの方が味わいある
聴きどころの要素は多い。
静かなバラードか一番の盛り上がりに入るとき、待ってましたとばかり打ち込まれる
ドラミングの切れ味とか間合いだとかグルーブ感というようなもの。
音がさほど良くない装置で聞いていたときにはまったく気付かなかったアーティストが
そっと忍ばせたスパイスや隠し味、盛り込んでいたアイデア、メッセージ。
イイ音であれば受け止めることができる。
ここらにロック・ポップスをイイ音で聞く醍醐 味がある。
偉そうにこんな御託を並べているが、サウンドナビに出合うまで
音楽への情熱などほとんど消え失せ、熱心な音楽生活などもうないだろうと思っていたのだ。